【アメリカと日本茶】その10

1.日本茶業はペリーによって始まった。 

コ、日本茶が真直ぐな理由とアメリカその2
元文3年(1738年)に宇治田原の永谷宗円の創始した宇治製煎茶は針のように真直ぐだったでしょうか?

その当時のお茶は現在残っていませんから、現物で永谷宗円の宇治製煎茶を調べることは出来ません。
前にも書きましたが永谷宗円が宇治製煎茶を創始した当時は、現在手揉製茶に使われている木枠助炭は発明されていませんでした。
永谷宗円が使用した焙炉は宇治の碾茶焙炉と同じで紙助炭です。紙助炭の下は竹製の渡し竹と竹製の網代(あじろ)です。碾茶焙炉は葉を乾燥する事は出来ますが、その上で力を込めて葉を揉むことは出来ません。
ですから宗円の揉み方は、露切の後空中で両手を合わせて葉を揉む揉切(揉み落とし、合せ揉み、拝みもみ、撚り切)のみでした。

現在のように木枠助炭の上で葉に体重を掛けて揉むことが出来ず、両手を合わせる力だけで揉みますから非常に労力のいる揉み方でした。又、宗円の宇治製法には生葉を一纏めにして揉む揉み方はありませんでした。一纏めにして揉む揉み方とは、練り揉(突き練)、転繰揉(デングリ、含揉)
こくり、板摺、炉縁揉、など茶を真直ぐに細く形状を作る揉み方です

令和元年12月