「失敗しないお茶の淹れ方」=「急須にまずお湯を入れましょう。」
皆さんが、なかなかおいしいお茶(煎茶)を淹れられない最大の原因は、
「お茶の葉を入れた急須にポットから直接お湯を注ぐ」点にあります。
水を3分間以上沸騰させてからポットに入れると、ポットの湯温は95度になります。
この湯を急須に注ぎますと、95度のお湯は約10度下がり、湯温は最後には85度になります。
95度から85度の湯温でお茶を淹れることになりますので、前回のその2「原理」で説明したように、
カテキン(苦味渋味成分)が急激に溶け出して苦渋いお茶になってしまいます。
だからと言って、“お茶の量を減らしたり”、“お湯を注いですぐに茶碗に注いだり”しても美味しいお茶は入りません。
そこでお薦めするのが、誰でも簡単にできる「失敗しないお茶の淹れ方」です。
急須の蓋を開けたらまず茶の葉を入れないでポットのお湯を急須に入れて下さい。
急須が温まったら(20秒から30秒)、次に茶碗に注ぎます。
このことによって、
その一「湯温が20度から25度ほど下がります」、
その二「急須と茶碗が温められます=出したお茶が冷めない」、
その三「茶碗で湯が量れます=急須に湯が残らない」、
この三つの効果があります。
茶碗のお湯を、なるべく茶葉に直接かからないよう、急須に注ぎます。
急須で約70度から75度でお茶は浸出されます。
出すまでの時間の基本は約60秒です。
高めの温度では短く、低めの温度では長くしてください。
急須をあまりゆすらないで最後の一滴まで、じっくり出しましょう。
急須に湯が残ると、二煎目が苦渋くなります。
出し終わったら、急須の後ろをポンとたたいて、茶葉を急須の網から離し、蓋を少しずらして湯気を抜きます。
二煎目は一煎目より高い湯温(80度から85度)で15秒ほどで浸出してください。
2013年9月掲載
執筆:桑原秀樹