1.お茶の買い方
結論から言いますと、「全ての人を満足させるお茶はない」という事です。
お茶は嗜好品ですから、渋いお茶の好きな人、甘いお茶の好きな人、濃いお茶の好きな人、軽いお茶の好きな人等、個人によって千差万別です。
ですから、好みに合うお茶は自分で探さないといけません。
「良いお茶の買い方」のコツの第一は、対面販売している店(お茶専門店)でお茶を買う事です。
お店の人と、会話が出来ることが大切です。色々質問して下さい。
良いお店なら、丁寧に答えてくれる筈です。
初めての店なら、店主お薦めのお茶を買うのも良いと思います。
第二は、100g1,000円のお煎茶を買う事です。
100g1,000円のお煎茶は、1番の売れ筋商品で、淹れ方によって、色々な味と香りが楽しめます。
500円のお茶は殆どが二番茶ですから、1,000円のお茶ほどには楽しめないでしょう。
第三は、家庭で90度と70度のお湯でお茶を淹れてみて、ちゃんと味の違いが出るか試して下さい。
温度の違いによって、渋くも旨くも淹れられるのが良いお茶です。
2.保存
保存方法ですが、家庭では、「保存しないこと」をお薦めします。
保存はお茶屋に任せましょう。
買う時には最低単位(100g)でお求め下さい。
大量に頂いたとき、開封していないものは、冷蔵庫に保存し、開封する時は一日前に出しておいて下さい。
開封したものは、茶缶に入れておけば一ヶ月は大丈夫ですので、一ヶ月以内に消費できる量を出すようにして下さい。
茶缶は、冷蔵庫には入れないようにしましょう。
3.急須
煎茶用急須選びのコツは、
(1)釉薬の塗っていない焼き締めの急須
(常滑、万古など、味が円やかになる)
(2)湯量が150ccから250ccの急須(扱いやすい)
(3)蓋が大きい急須(茶殻の掃除がしやすい)
(4)蓋がカタカタ鳴らない(機密性がよい)
(5)急須のアミが急須と同じ土で出来ている(金網は良くない)
(6)アミの面積が大きく、小さな穴が多く開いている(目詰まりしにくい)
(7)口から湯が垂れない
(8)見て、使って気持ちが良い(良い物は美しい)等です。
この条件を満たす急須を買おうとすると、最低4,000~5,000円はします。
しかし、良い物は長持ちしますし、美味しいお茶が365日淹れられると思えば、結局はお得だと思います。
4.茶の量
お茶が美味しく淹れられない理由の一つは、茶量が少なすぎることです。
これは経済的理由もありあますが、皆さんが日頃「ワンクッション」されずにポットから直接急須にお湯を注がれるため、お茶が渋くなるのを、茶量を少なくして防いでいるからだと思います。
少ない茶量に熱いお湯では、美味しいお茶は淹れられません。
茶量は水100ccに対して3gが標準です。
普通使われる急須は、200から250の容量ですから、6gから8gのお茶が必要です。
5.水だし
暑い時期に熱いお茶を少量飲むのも気分がシャキッとして良いものですが、夏場は一番簡単な「水だし」をお勧めします。
夜、ガラスポットにお茶(煎茶、焙じ茶など)を水1リットルに対して10~15gいれて、一晩冷蔵庫に入れておきます。
朝になると「水だし」が出来上がります。
湯で淹れたお茶に比べるとやや薄めのお茶になりますが、夏場の水分補給には最適です。
~完~
2013年10月掲載
執筆:桑原秀樹