【宇治茶用語の研究】 その4

1、茶況(アワード)
8月29日(土)、30日(日)、静岡茶市場において日本茶アワード2015の茶審査会がありました。
「日本茶アワード」は昨年から始まった品評会で、その最終目的は日本茶消費の拡大です。
茶消費者も茶生産者も流通業者も、みんなが喜ぶ楽しい日本茶業を目指しています。

これまでの審査会の審査方法と違う点は、
(1)審査の対象が仕上げ茶です。
(2)茶の浸出に審査茶碗ではなく、急須を使用します。
(3)湯温と浸出時間を消費者が普段している湯温と浸出時間にします。
(4)内質は1煎目だけではなく2煎目も評価をします。
(5)審査は内質から審査します。
(6)審査は合議制ではなく、審査員各自の個人制でします。
などです。

静岡で行われた第1次審査、第2次審査はプロの審査員による審査でした。
このプロの審査で選ばれた上位20点の茶は、11月28日、29日、東京渋谷ヒカリエで行われる消費者による第3次審査に出品され、消費者の投票で日本茶大賞が決定します。

ヒカリエ第3次審査はインターネットから誰でも応募することができます。
素晴らしいお茶を審査することができる良い機会です。
遠いですがどしどし応募してください。


2、場(ば)のつく茶用語

今回は用語の後ろに場(ば)のつく茶用語を紹介します。

ウスバ(臼場)
 抹茶室のこと。
ゴウバ(合場)
 何種類かのお茶を合(ごう)する場所。
チャイチバ(茶市場)
  荒茶が入札や相対(あいたい)で取引される場所。
チャヨリバ(茶撰場)
 茶撰娘(ちゃよりこ)が茶を手撰りする場所。
チョーバ(帳場)
 事務所のこと。帳簿がある場所。
ナガシバ(流し場)
 荒茶を仕上加工する場所。茶を仕上げることを茶を流すという。
ネリバ(煉場)
 茶を火入れ乾燥する場所茶を火入れ乾燥することを練(ねり)という。
ハイケンバ(拝見場)
 茶を審査する場所。茶の審査を拝見(はいけん)という。
ホイロバ(焙炉場)
 茶を製造する場所。焙炉のある場所。
ムシバ(蒸し場)
 茶の生芽を蒸す場所。

現在ではあまり使われなくなった用語もありますが、
懐かしい響きの用語です。

 

執筆:2015年10月