ヤ
- ヤガハイル(矢が入る)
- 手揉み製茶で揉まれた茶が助炭に突き刺さり助炭の和紙を破ること。
- ヤク(役)
- うてること。茶が熟成して良くなること。「やくをする。」という。
- ヤクシュウ(薬臭)
- 農薬の臭いが製品の茶に残っているもの。
- ヤクヲスル(役をする)
- 茶が熟成して良くなること。
- ヤゲン(薬研)
- 薬草を粉末にする道具。茶臼が手に入らない時代には薬研で茶を粉末にした。
- ヤナギ(柳)
- 川柳に次ぐ高級番茶。川柳よりやや大型で味もうすい。
- ヤニ(脂)
- ブイベルトのない時代の平ベルトはよく滑って機械が動かなくなることがあった。その時ベルトに松脂を塗って滑りを止めた。
- ヤブ(薮)
- 品種のやぶきたのこと。
- ヤブキタ(やぶきた)
- 茶品種の代表で、全茶園面積の約75%がやぶきた品種である。静岡の杉山彦三郎が静岡在来より選抜した。
- ヤマ(山)
- 茶の製造期間のこと。
- ヤマガイ(山買)
- 茶市場で茶を買うのではなく、茶製造場所で茶を買うこと。
- ヤマシロインロウビツ(山城印籠櫃)
- ふたの枠が箱の枠に重なるように作られた茶箱のこと。印籠櫃に同じ。
- ヤマシロチャ(山城茶)
- 明治、大正時代、京都府南部で生産される茶は「宇治茶」より「山城茶」と称される方が多かった。
- ヤマシロビツ(山城櫃)
- 内張りがブリキで、静岡櫃に比べてやや長ぼそい。
- ヤマチャ(山茶)
- 山間に自生している茶。
- ヤマテ(山手)
- 木津川べりの「川筋」に対して、丘陵地や山に近い産地を「山手」と言う。
- ヤマナリ(山なり)
- 山なり開墾のこと。ブルトーザーなどの機械力がなかった時代には、土を動かさずに山なりで茶園を開墾した。
- ヤリビ(鎗火)
- 焙炉で、炭火の焔で助炭の所々に穴の明くこと。
- ヤリモチ(槍持)
- 茎の状態を表す。茶の芽相が若く茎が本茶と同じ色艶をしている状態。少し硬化すると茎の皮がめくれて白いペタ棒になり、もう少し硬化すると丸い棒になる。
ユ
- ユウキ(有機)
- 化学肥料、化学農薬を使用しないでつくること。
- ユシュウ(油臭)
- 機械の油の臭いが茶についたもの。
- ユタカ(ゆたか)
- 品種のゆたかみどりのこと。
- ユダマ(湯玉)
- 茶葉についた霜が落ちず、日光が当たると焼けること。徳島
- ユビキ(湯引)
- お湯の中に生葉を入れ茹でて殺青する方法。古田織部の青は灰汁(あく)による湯引による。各地の番茶も湯引、煮茶が多い。
- ユヲスル(湯をする)
- 茶の浸出審査をすること。
ヨ
- ヨウボク(幼木)
- 植えて5年までの若い木のこと。
- ヨウリョクソ(葉緑素)
- クロロフィル。緑茶を緑色にしている成分。
- ヨコマクリ(横捲)
- 手揉み製茶で、助炭の上で力を入れて茶を横に回転させながら揉むこと。
- ヨコモミ(横揉み)
- ヨコマクリに同じ。
- ヨシアゲ(葦上げ)
- 下骨に葦簀を載せること。一反で300枚の葦簀が必要になる。スアゲと同じ。
- ヨシズ(葦簀)
- 覆い下園に使われる葦を細縄で簾状に編んだもの。昔は巨椋池の葦が使われた。
- ヨリ(撰)
- 茶の茎や黄葉を手で選り分けること。チャヨリ(茶撰)に同じ。
- ヨリイタ(撰板)
- 手作業で茶を選る時に使用する座り机。四角く黒い漆が塗ってある。
- ヨリキリ(より切り)
- 手揉みで、中出し、玉解きの後で、両手のなかで茶をよって切る操作。
- ヨリクズ(撰屑)
- 選られて出た茎や色がわり。
- ヨリコ(撰女)
- 茶撰をする女性のこと。
- ヨリジマイ(撰仕舞)
- 製茶時期の茶撰(生芽撰、蒸芽撰、シナ撰、荒撰)の仕事が終わること。
- ヨリツギ(撰継)
- 撰女さんに次の撰るお茶を渡すこと。
- ヨリバコ(撰箱)
- 選るお茶、選ったお茶を入れる木箱。
- ヨンコン(よんこん)
- グリ茶、グリ、玉緑茶、ヨンコン(よんこん)と同じ