サ
- サイカンキ(再乾機)
- 揉捻機の次に用いる機械で、揉み手のついたものは中揉機と云う。
- サイセイ(再製)
- 荒茶を精撰仕上げすること。
- サイトウ(裁刀)
- 碁石茶の語源である碁石の大きさ3~5cmにたたき切る刀。高知大豊町
- サイトリ(才取)
- 茶農家と茶業者の間で茶の斡旋取引を行なう人。双方からさやを取ることから才取となった。宇治では茶トンビとも言う。宇治ではスアイ(素人)と呼ばれる斡旋人がいた。スアイトリがサイトリに転じたと考えられる。
- サイビ(再火)
- 仕上げ乾燥をした茶を再度乾燥すること。二度火に同じ
- ザイライ(在来)
- 品種でない実生の茶のこと。雑種に同じ。
- サエ(さえ)
- 品種のさえみどりのこと。
- サエガナイ(冴えがない)
- 茶がまずそうにくすんでいる様子。
- サエテイル(冴えている)
- 茶がおいしそうにイキイキしている様子。
- サカモミ(逆揉)
- 昭和4、5年頃静岡で行われた不良製造法で、蒸した原葉を先ず揉捻機で揉み、その後粗揉機にいれ、再び揉捻機でもむ方法で、著しく品質を落すが、外観が蒼黒く出来るので相当広く行われた。
- サケハサカヤニ、チャハチャヤニ(酒は酒屋に、茶は茶屋に)
- 物事には、おのずから専門というものがある。
- サシ(さし)
- 煎じのこと。「サシが利く」とは、何回煎じ出しても、味が落ちないと云う事である。
- サシガキカナイ(さしが利かない)
- 二煎目三煎目とすぐに味が落ちること。
- サシガキク(さしが利く)
- 何煎もおいしいこと。
- サスマタ(さすまた)
- 蒸釜の下の火のついた松割木を動かして火力を調節するのに使う。
- ザッシュ(雑種)
- 品種でない実生の茶のこと。在来に同じ。
- ザッショク(雑植)
- 茶園に柿の木などを一緒に植えること。戦前の茶園には混植茶園が多くみられた。混植に同じ。
- サッセイ(殺青)
- 茶の酸化酵素を熱によって失活させること。
- サバキ(捌き)
- 手揉み製茶で、蒸したのち良く冷ました茶葉を軽く上にほうりあげながら、茶葉が助炭面に均等に、重ならないように落すこと。露切りのこと。
- サバキモミ (捌き揉み)
- 生葉稍乾燥し来たりて青黒色を呈し来る。此際充分揉切らざれば色沢を害して良味の製茶を得る事能わず。其適度は茶葉半ば黒色を帯ぶるを以て止むべし。
- サハンジ(茶飯事)
- 普通のこと。日常ありふれた事。
- サマシウチワ(冷まし団扇)
- 手蒸しされて、走り(冷まし台)に拡げられた蒸芽を冷やすのに使用する団扇のこと。
- サマシカゴ(冷し篭)
- 手蒸しで、蒸された葉を走り(ハシリ)にあけて団扇で冷まし、冷まし篭にいれて黄葉や屑を取る。
- サマシダイ(冷し台)
- 手蒸しで、蒸し揚がった茶葉を冷ます台のこと。ヒヤシダイ(冷台)、ムシアケダイ(蒸明台)、ムシダイ(蒸台)、ハシリに同じ。
- サミ(さみ)
- サミドリに同じ
- サミドリ(さみどり)
- 宇治品種のさみどりのこと。久世郡小倉村の小山政次郎が宇治在来より選抜した。小山69号。
- サヤマ(さやま)
- 品種のさやまかおりのこと。
- サライテ(さらい手)
- 精揉機の揉盤の両側に落ちた茶葉を集める部品。
- サラエ(さらえ)
- 手製碾茶の製造で使用する道具。竹製の熊手状の道具で、焙炉の助炭に広げられた蒸し葉を攪拌するのに使う。ネン、メン(めん)に同じ。
- サラシチャ(晒し茶)
- 茶壺の湿りや異臭を吸い取る為に茶壺の底に残された碾茶のこと。
- サンジュウハチネンシキ(38年式)
- 手揉流派の統一のために、大林雄也が明治38年に制定した輸出向模範茶手揉製造法のこと。
- サンチョガケ(三ちょ掛け)
- 昭和期の製茶再製機械で、抜き篩や切断篩が三枚掛けられる機械のこと。
- サンノマ(三の間)
- 宇治川にかかる宇治橋の川に出っ張った部分のこと。三の間より宇治川の名水を汲み上げた。
- サンプル(さんぷる)
- 見本のこと。
- サンボウサン(三棒さん)
- 手摘みの折摘みで、摘むべき所より下で、即ち枝分かれより下で摘むこと。「三棒さんが多い。=摘み方が粗い。」
シ
- ジアカイ(地赤い)
- 茶の色沢が赤味を帯びている様子。
- シアゲ(仕上)
- 荒茶を仕上げ茶に精選加工すること。
- シアゲチャ(仕上茶)
- 精選加工され商品として完成された茶のこと。
- シアゲバ(仕上場)
- 茶を仕上げる場所のこと。
- シアゲモミ(仕上揉み)
- 手揉み製茶の中揚げ以降の熟練の技のいる手揉み工程のこと。ニバンモミに同じ。
- シアゲモミジョタン(仕上揉み助炭)
- 仕上揉みで使用する助炭のこと。
- ジエンジセイ(自園自製)
- 自分の茶園の生葉を自分の荒茶工場で製茶する事。
- ジエンジセイジハン(自園自製自販)
- 自分の茶園の生葉を自分の荒茶工場で製茶し、その荒茶を自分で再製加工して販売する事。狭山に多い。
- ジカ(地香)
- 茶がとれる土地の匂い。
- ジカ(直)
- 棚に対して、直掛けを直(じか)という。
- ジカオオイ(直覆い)
- ジカに同じ。
- ジカガケ(直掛け)
- 棚を作らず茶園に直接寒冷紗を直(じか)に着せたのを直掛けという。
- ジカタ(地方)
- 生産家のこと。
- ジカユシュツ(直輸出)
- 日本人が再製加工した茶を居留地貿易商社を通さずに直接輸出する事。
- シキクサ(敷草)
- 茶園の畝間に敷く草木のこと。ホトロに同じ。
- シキサイ(色彩)
- 茶の葉と茎を色の違いで選別する選別機のこと。シキセン、シキサイセンベツキに同じ。
- しきさいせんべつき(色彩選別機)
- 茶の葉と茎を色の違いで選別する選別機のこと。色彩、色選と同じ
- シキセン(色選)
- 茶の葉と茎を色の違いで選別する色彩選別機のこと。シキサイと同じ
- シキタク(色沢)
- 茶の審査用語で、茶の色と艶のこと。
- ジキハン(直播)
- 茶の種を直に茶園に播くこと。
- シキワラ(敷藁)
- 茶園に藁を敷くこと。
- ジグチ(地口)
- 茶園の土地の地力のこと。
- シケンキュウス(試験急須)
- 主に碾茶の審査に用いられる筒型の急須のこと。
- シゴキ(しごき)
- 手摘みの方法で、茎を残し新芽だけをしごいて摘む方法。
- シゴキヅミ(しごき摘み)
- しごきに同じ。
- シズオカビツ(静岡櫃)
- 内張りがトタンで、山城櫃に比べて長さがやや短い。
- シゼンジタテ(自然仕立て)
- 昔ながらの手摘み用茶園の仕立て方。
- シタ(下)
- 手揉み製茶で、露切り、横まくり、中揚げまでの力のいる揉む工程。シタモミ、ナマモミに同じ。
- シタウス(下臼)
- 茶臼の回転しない下の部分で、芯木が立てられている。
- シタキ(下木)
- 茶園の畝間に敷く草木のこと。シキクサ(敷草)ホトロに同じ。
- シタキカ(下木香)
- ほとろ(下草)を敷いた茶園から取れる煎茶が持つ特有のいい香りの事。プン香(プンコウ)とも言う。
- シタクサ(下草)
- 茶園の畝間に敷く草木のこと。シキクサ(敷草)ホトロに同じ。
- シタテ(仕立)
- 茶の荒茶を仕上げて製品にすること。
- シタテコ(仕立粉)
- 仕上の工程で切断によって出来た粉のこと。花粉、青粉、切粉とも言う。
- シタテバ(仕立葉)
- 碾茶の荒茶を仕上げ加工したもの。これを挽き臼で抹茶に加工する。
- シタボネ(下骨)
- 碾茶園、玉露園の覆いの骨組みの事。なると竹で作る。この上に葦簀と藁、または菰で覆いをする。
- シタモミ(下揉)
- 手揉み製茶で、露切り、横まくり、中揚げまでの力のいる揉む工程。シタ、ナマモミに同じ
- ジチャ(地茶)
- 地元の茶。自分の周辺でとれるお茶のこと。
- シツナイイチョウ(室内萎凋)
- 部屋の中で生葉を萎らせること。
- シト(しと)
- 発酵汁を漉して、天日干し2日目の葉やおろにふりかけること。徳島上勝町
- シトリ(しとり)
- 茶葉表面の湿り。
- シナ(科)
- 科とはあだっぽい様子、趣、風情である。揉み茶の科とは粗揉機から出てきた時の茶の状態を言う。碾茶では下段を出てきたところの茶の状態である。
- シナアゲ(科揚げ)
- 手揉み製茶で、横まくりの後ホイロから茶をおろすこと。
- シナオチ(品落)
- 茶の品質が低下すること。
- シナタオシ(科たおし)
- 科を見て蒸や粗揉の具合を判断する事。碾茶では、蒸や本炉の温度の良否を判断する事。
- シナミ(科箕)
- 手揉み製茶で、横まくりの後ホイロからおろし、粉末、屑葉、塵を取る為に箕を簸ること。
- シナモミ(科揉み)
- 手揉み製茶で、一番師、下揉(した)がする中上げまでの力のいる作業。
- シナモミシ(科揉み師)
- 手揉み製茶で、中揚げまでの力のいる工程を揉む焙炉師のこと。初心者が受け持った。イチバンシに同じ。
- シナモミジョタン(科揉み助炭)
- 科揉みに使用する助炭のこと。
- シナヨリ(科撰)
- 手揉み製茶で、横まくりの後ホイロからおろし、黄葉、屑葉などを手撰りすること。
- シニハ(死に葉)
- 発酵しない枯れ葉。高知大豊町
- シノ(しの)
- 茎、骨のこと。
- シノカワ(しの皮)
- 茎の皮のこと。製茶時期が進むと茎が硬化し、製造時に茎から皮がはがれる。チリチリとも言う。
- シビ(しび)
- 碾茶園、玉露園で、藁拭きや覆こぼちの後に茶園に落ちた藁の事。
- シビトリ(しびとり)
- 碾茶園、玉露園で、藁拭きや覆こぼちの後に茶園に落ちた藁を落すこと。
- シブビキ(渋引き)
- 昔の茶袋は和紙が主に使われ、防湿の為に表に柿渋を塗った。
- シマイチャ(終い茶)
- その年の最後に製造した茶のこと。
- ジマワリチャ(地回り茶)
- 地元の茶。自分の周辺でとれるお茶のこと。ジチャに同じ。
- ジミ(滋味)
- 茶の審査用語で、味のこと。
- シモカブリ(霜被)
- 新芽の付け根にある小さい葉。魚葉
- シモゴエ(下肥)
- 人糞のこと。人糞を発酵させた肥料のこと。
- シャクイチ(尺一)
- 茶臼の寸法。直径が一尺一寸(約33センチ)の茶臼のこと。
- ジャクゼツ(雀舌)
- 「大観茶論」に「茶の芽は雀の舌、穀の粒のようなものを茶闘べにつかう第一級品とすろ。」とある。
- シャコウ(遮光)
- 光を遮ること。
- シャコウリツ(遮光率)
- 碾茶、玉露では90%~98%、カブセでは70%~85%の遮光率が多い。
- シャンシャンシャン(しゃんしゃんしゃん)
- 茶の値段交渉が成立した時、売り手と買い手が手を三つ打って交渉成立の印とすること。テーミツに同じ。
- シュウトウバン(秋冬番)
- 秋から冬に整枝する時に出来る番茶をいう。
- シュコウ(珠光)
- 茶の湯の開祖、村田珠光のこと。
- ジュウカイテンモミ(重回転揉)
- 葉を一団にして体重をかけてころがす。
- ジューソウムシ(重曹蒸)
- 茶を青く発色させるために、蒸し機で重炭酸ソーダを点滴して生葉を蒸すこと。
- ジューネンキ(揉捻機)
- 茶の製造で、粗揉機の次に火を使わないで揉む機械のこと。
- シュン(旬)
- 茶の一番良い時期のこと。
- ジュンセン(純煎)
- 露天で栽培された煎茶のこと。現在では、一週間程度直掛け(直被覆)された煎茶が多くなったために、「純煎」「露天煎茶」「露地煎茶」といわれるようになった。
- ショイコ(背負子)
- 切り出した茶木を入れる籠。高知大豊町
- ジョウコ(上粉)
- 一番茶の粉。徳島神山町
- ショウチクバイツルカメ(松竹梅鶴亀)
- 綴喜郡田原村に伝わる茶香服の入札の慣用句。
- ジョウチャ(上茶)
- 八十八夜に摘んだ新茶のこと。徳島神山町
- ショウハ(正葉)
- 一番茶のこと。
- ジョウヨウ(常用)
- ヒヨウに同じ。茶摘み賃の支払い方で、常用は日給、時給制で、目摘みは摘んだ目方で支払う。
- ジョタン(助炭)
- 四角い木枠に寒冷紗か蚊帳の古くなったものを貼り、その両面に和紙を何重にも張り重ね、柿渋を塗ってしあげたもので、焙炉の上にのせて手揉み茶を製造する。
- ショチャ(初茶)
- 一番茶のこと。
- ションベン(小便)
- 取引用語。茶を購入する契約をしておきながら、後で断ること。キャンセル。
- ショー(性)
- 茶の品質、品格のこと。
- ショーキセン(正喜撰)
- 宇治の池の尾の煎茶の茶銘。「太平の眠りを覚ます蒸気船(上喜撰)、たった四杯で夜も寝られず」で有名。「池の尾」と同じ。
- ジョーキセン(上喜撰)
- 正喜撰に同じ。
- ジョートーホイロシ(上等焙炉師)
- 手揉み製茶で、中揚げ以降を揉む熟練した焙炉師のこと。ニバンシと同じ。
- ジョーネツ(蒸熱)
- 蒸気で生葉を蒸すこと。
- ショーヨシ(性吉)
- 茶の品質が良いこと。
- ショーヨシモノ(性吉物)
- ショーヨシに同じ。
- ショーワル(性悪)
- 茶の品質が悪いこと。
- シラオレ(白折)
- 碾茶の葉脈や葉柄など臼で挽けない硬い部分(折物のこと。)オレに同じ。
- シロ(白)
- 若い芽で碾茶が製造されていて、抹茶に挽いた時挽き色が白く見えること。
- シロチャ(白茶)
- 若くて小さい芽の碾茶を挽くと白っぽい抹茶になる。これを「青茶」に対して「白茶」と言った。小堀遠州は白茶を「初昔」と命銘した。
- シロムカシ(白むかし)
- 御茶師三仲ケ間の袋茶銘で、初鷹爪と共に多く使用されていた茶銘。
- シン(芯)
- 茶のまだ開ききっていない若葉のこと。
- ジン(甚、沈)
- 芯が揉まれて玉状、粒状になったもの。芽茶のこと。
- シンギ(芯木)
- 茶臼の回転軸になる木。硬い樫の木が多い。
- シンクウトウミ(真空唐箕)
- それまでの唐箕は風を送ることによって茶を選別したが、真空唐箕は空気を吸い込むことによって茶を選別する。
- ジンコ(甚粉)
- 芯が揉まれて玉状、粒状になったもの。芽茶のこと。甚(ジン)に同じ。
- ジンコ(塵粉)
- 上粉の中の細かい粉。徳島神山町
- シンサ(審査)
- 茶の品質を査定すること。普通は形状、色沢、香気、味、殻色などの項目を査定する。
- シンシュツエキ(浸出液)
- 煎汁のこと。
- シンド(しんど)
- 茶摘子が摘んだ生芽を焙炉場(製造場所)まで運搬する為の籠。芽運籠(めはこびかご)の事。
- シンドカゴ(しんど籠)
- シンドと同じ。
- シンハ(真葉)
- 一芯五、六葉を摘んだ時の、一芯が真葉(シンハ)である。芽先とも言う。
- ジンプン(人糞)
- 人糞を発酵させた肥料のこと。シモゴエに同じ。
- シンメ(新芽)
- 4月、五月に出てくる新しい芽のこと。
- シンミズ(芯水)
- 茶の葉の中心部の水分のこと。
ス
- ス(簀)
- 覆い下園に使われる葦を細縄で簾状に編んだもの。昔は巨椋池の葦が使われた。
- スアイ(すあい、素人)
- 江戸時代の宇治に於いて茶生産家の碾茶を取りまとめ茶師に斡旋する仲立ちの仕事をした人のこと。
- スアイトリ(すあいとり)
- スアイに同じ。サイトリの語源。
- スアゲ(簀上げ)
- 下骨に葦簀を載せること。一反で300枚の葦簀が必要になる。
- スアミ(簀編み)
- 葦簾や菰簾を編む作業のこと。
- スアミダイ(簀編台)
- ヨシズやコモを編む台のこと。コヤシマタとも言う。
- スイショク(水色)
- 茶の浸出液の色のこと。
- スイチャ(吸茶)
- お濃茶も一人一服であったが、千利休が一椀の茶を何人かが回してすすり飲むようにした。
- スシタトオカ、ワラシタトオカ(簀下十日、藁下十日)
- 覆下栽培の基本。簀を広げて十日間、藁を葺いて十日間覆いをすること。
- スジカイ(筋交い)
- 覆下茶園の下骨で、下骨の補強用にはすかいに立てる杭のこと。ノシ、ツッパリに同じ。
- スジガケ(筋掛け)
- 覆い下茶園の覆いを一筋ごとに掛けること。
- スズメノハガクレ、カラスノハガクレ(雀の葉隠れ、烏の葉隠れ)
- 柿木の葉に雀が隠れるようになったら葦簀を広げ、烏が隠れるようになったら藁をふる。
- スソ(裾)
- 仕上茶や荒茶の粉、フワ、チリチリのこと。粉やフワが多いことを「裾がきたない。」と言う。
- スソガキタナイ(裾がきたない)
- 主に、仕上げ茶に粉やフワ、チリチリが多いことを言う。
- スソチャ(裾茶)
- 最下級茶のこと。
- スソハ(裾葉)
- 一芯五、六葉摘んだ新芽の一番裾の葉のこと。裾葉のこと。頭葉(カシラハ)に同じ。
- スソモノ(裾物)
- 下級茶のこと。
- スタバショック(スタバショック)
- 平成17年(2005年)、スターバックスが世界で抹茶飲料を発売した。ハーゲンダッツ程ではなかったが碾茶価格が高騰した。
この後、他のコーヒーチェーンも抹茶飲料を販売するようになった。 - スダレマキ(簾捲き)
- スマタに同じ。
- スマタ(簀又)
- 玉露園、碾茶園の二番茶の事。簀の後を又(また)採るから簀又と言う。煎茶園の二番茶は又茶と言う。
- スメクリ(簀捲り)
- スマタに同じ。
- スリアワセ(擦り合わせ)
- 茶臼の上臼と下臼の合わせ面の内、中心より約3分の1は「ふくみ」と言う間隙があり、残り3分の2は「すりあわせ」と言って密着している。
- スリウリヤ(擦り売り屋)
- 茶の再製加工業者のこと。
- スリカ(擦り香)
- ドラム火入機で火入れした時のドラム特有の火香のこと。
- ズルケ(ずるけ)
- 覆い下茶園のウド芽の葉の淵が、健康障害で黒く腐ること。
- ズルズル(ずるずる)
- 茶の外観、形状、手触りを表した言葉。茶が油が乗ったようにピカピカ光り、手に持ったときズルズルすべるような感じを表す。
- スレメ(擦れ芽)
- 碾茶園玉露園で、茶園の周辺部にあって垂菰でも完全に日光を遮ることの出来ない部分のこと。先に摘んで炉ならしにしたり、飲み料にする。コモズレに同じ。
- ズワイ(ずわい)
- よく伸びた若枝のこと。ズワエに同じ。
- ズワエ(ずわえ)
- よく伸びた若枝のこと。ズワイに同じ。
セ
- セイシュウ(青臭)
- 茶の審査用語。青臭い香りのこと。
- セイジュウキ(精揉機)
- 煎茶(玉露)製造において、最後に乾燥しながら形状を整える為に使われる機械のこと。
- セイジュウキヤ(精揉機屋)
- 静岡に於いて製茶加工を請け負う加工専門工場のこと。
- セイセンバ(精選場)
- お茶を仕上げする場所のこと。シアゲバに同じ。
- セイチャキョウシンカイ(製茶共進会)
- 製茶の品評会のこと。
- セイチュウ(正中)
- 株ごとの丸い茶園を陣頭にたとえて、天辺を正中と言い、横を鬢面(ビンズラ)と言う。
- セイロ(蒸籠)
- 茶の手蒸しの時に使われる蒸し籠のこと。鶺鴒釜の上に台輪をのせ、その上に蒸籠を置く。
- セイロムスビ(セイロ結び)
- 茶箱荷造りで縦横二本宛ての縄掛けを施し即ち井型の荷造り法をいう。
- セキレイガマ(鶺鴒釜)
- 茶の手蒸しの時に使われる底の深い釜のこと。安政年間に宇治郡木幡村の松尾主膳が考案した。
- セツ(節)
- 茶の鮮度のこと。「節がある。」とは「茶の鮮度が良い。」ということ。
- セツダンキ(切断機)
- 荒茶の仕上げ加工で茶の長さを切り揃える機械。
- セツダンマワシ(切断廻し)
- 製茶再製機械で、切断機に下に廻し篩がついた機械。おもに碾茶の仕上げに使われる。
- セン(煎)
- 茶を浸出すること。何煎もおいしいことを「煎が利く」、すぐ薄くなることを「煎が利かない」という。
- センガキカナイ(煎が利かない)
- 二煎目、三煎目になると、すぐに味が薄くなること。味落ちすること。
- センガキク(煎が利く)
- 何煎もおいしいこと、味が落ちないこと。
- センコウチャ(線香茶)
- 固形茶の別名。固形茶の形や色が線香に似ているところから線香茶と云われた。
- センジ(煎じ)
- さしのこと。「煎じが利く」とは、何回煎出しても香味が落ちないということ。
- センジチャ(煎茶)
- 現在の煎茶は淹し茶であるが、センジ茶は煎じ出して飲む茶であった。
- センジテ(煎じ手)
- 茶香服で茶を淹れる人のこと。亭主とも云う。
- センジフダ(煎じ札)
- 茶香服で茶とともに茶缶に入れておく花鳥風月客などの茶銘を彫った金属(鉄以外)札のこと。
- センチャ(煎茶)
- 昔は茶葉を煎じ(せんじ)出して飲む茶と言う意味だったが、現在では伸型の蒸製緑茶のことを言う。
- ゼンチャセイ(全茶青)
- 全国茶業連合青年団の略称。
- センプウキ(扇風機)
- 上空の暖かい空気を茶園に吹き付けて、霜害を防ぐために茶園に設置される。
ソ
- ソクジツセイ(即日製)
- 茶葉を摘採したその日に製造した茶のこと。昔は手揉みだったことや、機械が小型だったことにより泊り芽が多かった。
- ソウジバ(掃除葉)
- 茶工場の試運転に使う生葉のこと。試運転で作られた碾茶も掃除葉という。
- ソウジンボク(草人木)
- 茶の別名。
- ソウタイシキ(送帯式)
- 蒸機には送帯式と胴回転式がある。
- ソクマク(側幕)
- 覆い下園で、覆いをした茶園の側面を覆う菰や寒冷紗のこと。たれ。たれこも。
- ソグリモミ(ソグリ揉み)
- 宇治の手揉技術の一つ。
- ソコネ(底値)
- 入札において、出品者が入札者に頼んで入れてもらう最低価格のこと。
- ソジュウキ(粗揉機)
- 煎茶(玉露)製造において、最初に乾燥しながら揉む機械のこと。
- ソチャ(粗茶)
- お茶をお客様に出す時のへりくだった言い方。
- ソソリ(揃)
- 昔の宇治碾茶の等級のひとつ。「無上、別儀、ソソリ」「極上、別儀、極揃、別儀揃」
- ゾッキ(ぞっき)
- 混じりけの無いこと。「宇治ぞっき」などと使う。茶が合組されてなくて、一つの畑の茶だけで仕上げた物。または同じ産地の茶だけで、他産地が合組されていない物を言う。イッポンモノ (一本物)、ヒトスジモノ(一筋物)と同じ。
- ソマリ(染まり)
- 染(そめ)と同じ。
- ソメ(染)
- 主に碾茶の覆いが良く効いて、葉の色が濃い緑色になること。「染が濃い。」とつかう。
- ソラモミ(宙揉み)
- 宇治の手揉技術の一つ。中切揉。